結婚・出産後の再就職に学歴は影響するか?~しゅふJOB総研調査~ 学歴「影響する」42.7% 影響する理由「優秀だと判断されやすい」61.7%、一方「影響しない」も3割
2019年1月29日
株式会社ビースタイル
主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』(事業運営者:株式会社ビースタイル/本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)の調査機関しゅふJOB総研は『再就職と学歴』をテーマに働く主婦層に、アンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数770件)
調査結果概要
1.回答者の最終学歴
2.女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴は「影響すると思う」42.7%
3.再就職と学歴の影響についての回答理由と影響認識別TOP3
4.女性のキャリアで最も学歴が影響するのは「新卒入社のタイミング」63.4%
5.結婚・出産後の女性の出世に学歴は関係「ある」48.2%、「ない」51.8%
6.出世と学歴の関係についての回答理由と関係認識別TOP3
7.もし子どもが女の子だとしたら高学歴を「望む」46.1%
8.フリーコメントより
回答者の最終学歴
女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴は「影響すると思う」42.7%
再就職と学歴の影響についての回答理由と影響認識別TOP3
学歴の影響についての認識別比較
「女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴は影響すると思いますか?(選択式:単一回答)」の回答と、その質問の
後に聞いた「そのように思われる理由はなんですか?(選択式:複数回答)」の回答とをクロス集計した上位3項目。
女性のキャリアで最も学歴が影響するのは「新卒入社のタイミング」63.4%
結婚・出産後の女性の出世に学歴は関係「ある」48.2%、「ない」51.8%
出世と学歴の関係についての回答理由と関係認識別TOP3
出世の関係についての認識別比較
「結婚・出産後の女性の出世に学歴は関係あると思いますか?(選択式:単一回答)」の回答と、その質問の
後に聞いた「そのように思われる理由はなんですか?(選択式:複数回答)」の回答とをクロス集計した上位3項目。
もし子どもが女の子だとしたら高学歴を「望む」46.1%
フリーコメントより
◇フリーコメントより抜粋(年代:最終学歴)
<女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴は「影響すると思う」と回答した人>
・大卒以上の表記で選択肢が減る。大学だってピンからキリまであるが大卒であれば応募資格が
与えられるのが不公平。年齢の次に障害になる(40代:専門学校)
・仕事に関して要求される要素など様ざまな要因を含めて判断した仕事ができる(60代:四年制大学(文系))
・大学名で人を判断されることは、多いと思う(40代:大学院)
・やはりブランクがあって再就職をしたい場合、学歴があるほうが優遇されると思う(40代:専門学校)
・それなりの学歴がない人で優秀な人はなかなか見つからないのは事実だから(40代:四年制大学(文系))
・日本社会で働く場合、自営業者でない限りは学歴は無視することはできない(30代:大学院)
・日本の就職システムが学歴重視なのは変わらないと思う(40代:高校)
・高学歴イコール仕事が出来ると考えている企業がまだまだ日本は多いと思う(50代:専門学校)
・高学歴は、頑張った努力の結果だと思うので、仕事の能力も、高いと思う(50代:専門学校)
・東京の国立大学卒です。これまで学歴のおかげで得をしたことはあっても損をしたことはありません
(50代:四年制大学(文系))
<女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴は「影響しないと思う」と回答した人>
・仕事をするうえで学歴は本当に関係ないと思う(50代:専門学校)
・新卒以外で学歴が求められる事は殆ど無いと思うが、働きたい企業や職種によると思います
(40代:四年制大学(文系))
・学歴よりも職歴やその時その時のスキル、意欲、コミュニケーション力といったトータルバランスだと思う
(40代:四年制大学(文系))
・主婦で子育て中のパートには、学歴は聞かれもしない(40代:四年制大学(文系))
・高学歴で仕事ができない人をたくさん知っている(50代:四年制大学(文系))
・学歴よりも何をしたいかを明確にし、資格などを取得する方が重要(40代:四年制大学(理系))
・却って高卒や中卒で、社会に出た年齢が若かった人ほど、応用力や順応性が高かったように思います
(50代:高校)
・最低限の学歴は必要。でも、それ以降は本人次第(30代:四年制大学(文系))
・いくら学歴が高くても人格に問題がある場合は社会人としての評価は上がらないと思う(40代:短期大学)
・私たちの子供が就職する年頃になると企業に勤めるという勤務形態が珍しくなっていると思う。
そうなると学歴よりもいかに個性があるか、
いかにユニークな発想があるかが一番問われると思う(30代:四年制大学(文系))
<女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴が影響するか「わからない」と回答した人>
・仕事によっては学歴が必要な場合もあり、人によって異なるもので、難しい(40代:四年制大学(文系))
・結婚してからは就職先にもよると思うが経験や人柄を見てくれる会社が多かった気がする(40代:高校)
・残念ながら、学歴の低い人の優秀さを見極めるには時間がかかるし、万人にその機会はないのが現実
(40代:高校)
・学歴はたいしたことないが、頭がよく仕事はできる人もいるし、学歴はすごいけど、頭が固くて
仕事できない人もいる(50代:短期大学)
・希望する業種、職種、社風により学歴が影響するかは異なる(40代:短期大学)
・派遣で仕事をしている分には問われないが、社員登用となると学歴を聞かれる(50代:高校)
・手に職がある場合や、職歴が華々しい場合は、学歴は大して意味がないと思う(40代:四年制大学(文系))
・女性が多い職場では、学歴よりも世渡りの上手さ、裏の人付き合いのうまさなどが、仕事ができるできない
よりも、大きな力を持つと思う(50代:大学院)
・学歴はないよりはあった方が良いと思います(40代:四年制大学(文系))
・少数言語の通訳の時、私は出迎えのみ担当し以降のアテンド通訳は有名な大学出身者が担当するよう
割り振られましたが、実践力から私に担当変更に
なった(50代:高校)
しゅふJOB総研 所長 川上敬太郎より
学歴に男女の差はないと言われるものの、いざ働く場面になると、まだ女性にとって働きやすい社会になったとは言い難い現状があります。学歴が働く女性に与える影響について調査すべく、働く主婦層に「女性が結婚・出産後に再就職する際、学歴は影響すると思いますか?」と尋ねたところ「影響する」42.7%、「影響しない」31.9%、「わからない」25.3%という結果となりました。2015年時の調査(※)と比較すると「影響する」が1.4ポイント上昇し「影響しない」が7.4ポイント減少、「わからない」は5.9ポイント上昇していますが、3年で大きく変わったというほどの印象は受けません。回答者の学歴別に集計してみると、四年制大学・大学院出身者の方が、それ以外の人より「影響する」と回答した比率が低くなっています。四年制大学・大学院以外の出身者の方が、学歴の影響を強く感じる傾向にあるようです。応募条件が大卒以上の求人があることなどが関係しているかもしれません。
「影響する」と答えた人にその理由を尋ねると、6割以上が「学歴が高い方が優秀だと判断されやすいから」と回答しました。逆に、「影響しない」と答えた人の理由として9割が、「学歴よりも実務スキルや職務経験が重視されるから」と回答しています。「わからない」と答えた人の7割も「学歴よりも実務スキルや職務経験が重視されるから」と回答しており、全体としては学歴よりも職務経験が重視されると感じている人が過半数を超えています。結婚・出産後の女性の出世と学歴は関係あるかを尋ねた際にも、同様の傾向が見られました。 最も学歴が影響する期間について尋ねると「新卒入社のタイミング」が6割超を占めました。一方、「一生影響し続ける」も2割近くいます。自分の子どもが女の子である場合に高学歴を望むかという質問では、「望む」が「望まない」の2.5倍以上です。「望む」傾向は再就職への学歴の影響を尋ねた時とは逆で、四年制大学・大学院出身の回答者の方が高くなっています。自らの経験に照らし合わせ、フリーコメントにあるように「学歴はないよりはあった方が良い」と考える人が多いのかもしれません。 学歴が働く女性に与える影響の有無は、人によって捉え方が様々です。それは、学歴に対する企業側のスタンスが様々であることの裏返しでもあると考えます。求人応募条件や給与、昇格条件など、学歴をどう判断材料としていくかの検討余地はまだ多分に残っているように思います。 ※<参考>働く主婦層に“女性のキャリアと学歴”に関するアンケート調査(2015年):https://www.bstylegroup.co.jp/category/report/5044-2/ |
<しゅふJOB総研 所長 川上敬太郎プロフィール>
1997年愛知大学文学部卒業。テンプスタッフ株式会社(現パーソルホールディングス)に入社し新規事業責任者等を歴任。転職後、執行役員としてキャリアカウンセリングやマーケティング部門を統括するなど、営業・経営企画・人事といった人材サービス事業のほぼ全てのセクションに携わる。業界専門誌『月刊人材ビジネス』では営業推進部部長 兼 編集委員を務め、人材ビジネス企業の経営者に向けた勉強会を企画運営。2010年株式会社ビースタイル入社。2011年より現職。
人材サービス業界の『声なき声』を社会に届けるインタラクティブメディア『ヒトラボ https://www.facebook.com/hitolabo.jinzai/』及びフェイスブックグループ『人材サービスの公益的発展を考える会 https://www.facebook.com/groups/jinzai.koueki/』主宰。有識者として内閣府 規制改革会議 雇用ワーキンググループ勉強会への参加、男女共同参画センターでの講演など、主婦人材の活躍推進や人材サービス業界のあり方について積極的な意見提言を行う。
◇委員等 厚生労働省 委託事業
平成29~30年度:民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職促進検討会」委員
平成29~31年度:労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラム検討委員会」委員
一般社団法人 日本人材派遣協会
派遣事業運営支援委員会委員(平成20~21年)、派遣事業運営支援部会員(平成24年)
◇メディア出演歴 NHK あさイチ 解説/フジテレビ みんなのニュース『ふかぼり』 解説/テレビ朝日 ビートたけしのTVタックルパネラー出演、他新聞・テレビ・雑誌などでコメント多数
◇寄稿・連載歴 日本経済新聞:私見卓見『日雇い派遣は主婦を助ける』(寄稿)/時事通信『働くデキる女性たち』(連載)/マネープラス:『ワークスタイルの見つけ方』https://moneyforward.com/media/special/shuhunohonne/(連載)など
▼ヒトラボ資料館 『是々非々』 http://zezehihi.wix.com/jinzai
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:770名
調査実施日:2018年7月17日(火)~2018年7月31日(火)まで
調査対象者:ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、 もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」
そんな志のもとにつくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために定期的なアンケート等の調査を実施、結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/category/report/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<株式会社ビースタイルについて>
企業理念は「best basic style」。時代に合わせて新たなスタンダードをつくる会社です。この理念に基づき、2002年の創業以来、働きたい主婦に対して就業支援を行って参りました。約15年間で生み出した主婦の雇用数はのべ10万人。女性がそれぞれの価値観、ライフスタイルに合わせて働くことができる社会の実現に向け、派遣・在宅・エグゼクティブなど、様々な『しゅふJOBサービス』を提供しています。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
(株)ビースタイル広報担当:柴田・兒玉・川上
〒160-0022東京都新宿区新宿2-3-10 新宿御苑ビル 6階
Mail:pr@b-style.net ホームページ:http://www.bstylegroup.co.jp/
※当リリースに関して、所長 川上へのインタビューのご要望があれば広報までご連絡ください。
※本リリースの引用の際は、必ず「しゅふJOB総合研究所調べ」とクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。