2022年10月19日
ビースタイルグループ
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は『男女の賃金格差』をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート実施し、年代ごとの傾向について追加分析を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:569件)
1.女性と男性の賃金差への不公平感:年代別比較
2.同じ仕事をしているのに賃金に差がついたとしても納得できる理由:年代別比較
3.フリーコメントより/女性と男性の賃金差への不公平感「ある」と回答した人
◇フリーコメントより抜粋(年代:就業形態)
・まだ、世の中に男尊女卑の考え方があることが、信じられない(40代:今は働いていない)
・私が就職した当初からそのような問題はあり、特に深く考えたことはなかった。日本は世界の中でも遅れているほう
なので、変わるのはまだまだ先かもしれない(50代:SOHO/在宅ワーク)
・やはり「日本社会」での男女の格差、賃金や社会的地位の不平等等は、この国の根底に未だ根強く「男性優位」の
考え方が大きく影響していると考えられます(60代:フリー/自営業)
・男性側が、女性の賃金が上がることをよく思っていないと思う。仕事ができる女性もいることを知ってほしい
(60代:パート/アルバイト)
・日本は男子は正規雇用が1番で女性は非正規雇用でもいいだろうと思っている。実際には安定は女性も男性も
同じでいいず(40代:派遣社員)
・男性であるだけで基本給が違ったりして賃金差はいつまでたってもなくならないと思う。でも、今、会社を経営
したりする人が若いかたが増えてきて男女平等そして、区別することなく評価をしてくれる人が増えているのも確か
(30代:パート/アルバイト)
・今は、パートや派遣を選んで仕事しているが、正社員で仕事をしていた頃は、確かに差がありました。先輩女性社員
は、勤務時間の条件等が一緒であっても、たとえ同期でも男性の方が役職に就いてました
(50代:今は働いていない)
・日本は働かないおじさん達に給料を払いすぎ(40代:パート/アルバイト)
・まだまだ女性は家族等自分以外の環境や都合で仕事を辞めたり不本意な変化を強いられたりするため継続的な
勤務という点では信用されていないところが大きくそれが賃金格差にも繋がっていると思います
(60代:今は働いていない)
・男性よりも女性の方が非正規雇用の割合が多い事もあって賃金格差が生まれている事もとても重要な事実であり、
また正規雇用と非正規雇用の格差が色々な面で(賃金、福利厚生、待遇等)大きく生じていると実際に自身で実感
している(20代:派遣社員)
・女性の方が育児などで時間に追われて、集中して仕事をこなす人が多い。だらだらとなんとなく過ごす男性より
働いていると思う(40代:正社員)
・男女差というのはかなり減ってきていると思うが、賃金差というよりは、機会均等ではない気がする
(50代:SOHO/在宅ワーク)
・対象者の職能に男女差がない場合でも、同じ職責に到達(出世)するまでの時間に男女差があり、賃金差を提示
しても本的な部分は変わらないと思う(50代:正社員)
・日本は昔から男尊女卑いくら頑張ってもその考えを改め無ければ何もかわらない(60代:パート/アルバイト)
・昔の、男性が大黒柱となって家族全体を経済的に支えるという世の中ではなくなった。|男性女性の違いではなく、
仕事の中身で評価されるべき(50代:派遣社員)
2.『同じ仕事をしているのに賃金に差がついたとしても納得できる理由:年代別比較』について
質問:「同じ仕事をしているのに賃金に差がつくとしたら、どういう理由であれば納得感がありますか。(複数回答)」に対する回答を年代別に集計して比較。
<前回調査>
就労志向の女性に聞く、男女の賃金差で不公平を感じたことある?
https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-29509/
7月8日に女性活躍推進法の省令が改正され、7月決算の会社による最初の公表時期となる10月を皮切りに「男女賃金の差異」の公表が始まります。男女の賃金格差について調査した前回のレポートで、同じ仕事をしているのに女性と男性との間で賃金差があり不公平だと感じたことが「ある」と回答した人は62.0%でしたが、今回追加分析したところ年代間に大きな差があることがわかりました。「ある」と回答した人の比率は60代以上だと72.4%に上るのに対し、30代以下だと37.3%に留まります。2倍近い差が生まれる背景には、社会全体の意識変化が影響している可能性があります。既に社会人として長く働いた経験を持つ60代以上の女性の多くは、1986年に男女雇用機会均等法が施行される以前から働いていた方々です。職場で「女の子」と呼ばれ、「寿退社」が日常用語として使われていた時代から働いてきた世代にとって、賃金面においても男女格差を実感する場面は多かったのかもしれません。また、実務経験を積んで仕事遂行能力が上がっても賃金が上がりづらいといった体験をする機会も、長く働いてきた分、より多かった可能性もあります。
一方、年代が下がるとともに賃金差に不公平を感じる比率も下がっているということは、まだ不十分とはいえ徐々に男女格差をめぐる職場環境の改善が進んできていることも考えられます。項目によって傾向の違いは見られるものの、同じ仕事でも賃金差に納得できる理由の調査においても、総じて年代が低いほど納得できる理由を選択する比率が高いようです。納得感を伴わない賃金差は社員に不要な疑念を抱かせます。一方で、スキルアップや成果向上が賃金上昇につながれば社員の励みになり、逆に差がつかなければやる気を削いでしまうこともあります。個々の働き手の賃金に対する納得感は、企業の人事戦略の成否を左右する重要な要素なのだと再認識する必要があると思います。 |
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。2011年に設立したしゅふJOB総合研究所では仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦層”のべ40000人以上の声を調査・分析。2021年に独立。“ワークスタイル”をメインテーマにした研究・執筆・講演、企業の事業支援および広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
人材派遣、紹介、アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げなど事業現場の最前線から、広報ブランディング・経営企画・人事など管理部門までを管轄。雇用・労働分野の有識者として多数のメディアに出演し、人材マネジメントから法規制まで雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志のもと2011年につくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研公式ツイッター⇒https://twitter.com/shufujobsoken
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を、創造する。』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、主婦の雇用をのべ17万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」、すきま時間で働く「ご近所ワーク」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、使命 -MISSION- 『「はたらく」をもっと、しあわせに。』を、人と仕事の適材適所によって実現してまいります。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
ビースタイルグループ広報担当:兒玉・川﨑
Mail:pr@b-style.net
お問い合わせページ:https://www.bstylegroup.co.jp/contact/media/
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