2023年2月3日
ビースタイルグループ
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は『「時給相場の壁」一覧』を公開しましたので以下にご報告します。
1.「時給相場の壁」一覧/扶養外し希望指数
2.就労志向の主婦・主夫層の希望条件に見られる変化
3.過去調査より:時給ライン「2,000円以上」なら約9割が扶養を外す
4. 「時給相場の壁」一覧の公開に込めた思い
※当一覧はしゅふJOB総研が2021年3月に行った調査結果をもとに、主婦・主夫層の方々が選んだ希望時給枠をベースに時給相場の目安としてまとめたものです。「年収130万円」などの扶養枠上限を超えないようにするための時給目安をシミュレーションしたものではありません。
※元資料:しゅふJOB総研2021年3月調査(https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-26903/)
求人サイト『しゅふJOB』を利用している主婦・主夫層の希望は、ここ数年で変化が見られます。
勤務日数の希望で最も多いのは週3日。次いで週4日、週5日と続きます。その順位は2018年から変わっていないものの、2022年には週4日勤務希望者は週3日勤務希望者に肉薄しています。また、週4日と5日希望者の合計は2018年時点で44.8%であったのに対し、2022年では53.2%と過半数になりました。それだけ日数を増やして働きたいという主婦・主夫層が増えている様子が伺えます。
しゅふJOB総研2021年3月調査によると、時給換算で「2,000円以上でも扶養枠に収めて働く」と回答した人の比率は11.0%。それ以外の約9割は、時給2,000円以上であれば扶養枠を外して働くことを選ぶと回答しています。
(詳細は「時給相場の壁」一覧の元資料をご参照ください。)
<しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎より> 岸田首相が、年収130万円など扶養枠の制度について見直しを検討すると述べたと報じられています。これまでにも扶養枠があることで就労抑制につながる懸念は指摘されてきていました。しかし、既に社会に深く浸透している制度だけに見直しにはかなりの時間と労力がかかることが予想されます。一方就労抑制の懸念とは裏腹に、就労志向の主婦・主夫層が希望する勤務日数は増えている傾向にあります。 2021年にしゅふJOB総研が行った調査によると、「あなたは時給換算でいくら位の仕事であれば、扶養枠を外して働くことを選びますか」という質問に対し、1,000円未満から2,000円以上までの間で回答した人の比率は合計89.0%。時給が2,000円以上であれば約9割の人が扶養枠を外して働くことを選択すると回答しています。時給2,000円という相場はかなり高い印象がありますが、ビースタイルグループがハイキャリア層向けに提供しているサービス「スマートキャリア」では時短勤務の派遣社員の時給が平均で2,200円を上回る水準に達しており、サービス利用者はずっと増え続けています。短時間の仕事であっても高いパフォーマンスを発揮できるハイスキル人材は決して少なくありません。スキルや能力を活かせる仕事を提供することで、2,000円を超える時給を支払っても、それに見合ったパフォーマンスが期待できる人材はまだまだ社会の中に埋もれているはずです。 就労抑制につながるから、扶養枠を見直す。その観点も必要ではありますが、人々の生活は待ったなしです。制度変更を待つ間に、物価高はさらに進み、家計をやりくりしたり扶養枠内に収めるために勤務調整したりということを繰り返すことになります。それであれば、制度変更をじっと待つだけでなく、扶養を外してでも働きたくなるような条件の仕事を世の中に増やしてはどうか、というのがしゅふJOB総研からのご提案です。それは就労抑制からの解放を目指す施策としてより即効性が高く、経済発展にも家計支援にも役立ちます。 この度公開した『「時給相場の壁」一覧』は、時給がどの程度であればどれくらいの人が扶養を外して働くことを選択するかを図る目安です。個々の志向については個別にヒアリングする必要がありますが、パート採用をされる企業の方や求人広告を取り扱う事業者の方などに、時給と扶養外しの関係性を把握する目安としてご利用いただければと思います。時給相場には大きく2つの壁があります。1つは、主婦・主夫層の過半数が扶養を外して働くことを選ぶ1,500円の壁。そしてもう1つは、ほとんどの主婦・主夫層が扶養を外すことを選ぶ2,000円の壁。扶養枠の上限である年収の壁ではなく、扶養を外したくなる下限である「時給相場の壁」にこそぜひ焦点を当てていただきたいと考えます。 |
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。2011年に設立したしゅふJOB総合研究所では仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦層”のべ40000人以上の声を調査・分析。2021年に独立。“ワークスタイル”をメインテーマにした研究・執筆・講演、企業の事業支援および広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
人材派遣、紹介、アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げなど事業現場の最前線から、広報ブランディング・経営企画・人事など管理部門までを管轄。雇用・労働分野の有識者として多数のメディアに出演し、人材マネジメントから法規制まで雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志のもと2011年につくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研公式ツイッター⇒https://twitter.com/shufujobsoken
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を、創造する。』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、主婦の雇用をのべ17万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」、すきま時間で働く「ご近所ワーク」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、使命 -MISSION- 『「はたらく」をもっと、しあわせに。』を、人と仕事の適材適所によって実現してまいります。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
ビースタイルグループ広報担当:兒玉・川﨑
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お問い合わせページ:https://www.bstylegroup.co.jp/contact/media/
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