2023年7月31日
ビースタイルグループ
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は、『扶養枠』をテーマに仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にアンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:621件)
1.収入上限に関する希望「収入制限は気にしない」32.4%
2.収入上限に関する希望:働き方別比較
3.収入上限に関する希望:働き方別 2023年と2021年比較
4.扶養枠を外す時給ライン:「1,500円以上」までの累積63.4%
5.扶養枠を外す時給ライン:2023年と2021年比較
6.扶養枠は「必要」28.3%、「不要」16.3%、「一概に言えない」48.0%
7.扶養枠はあった方が良いか:年代別比較
8.フリーコメントより
◇扶養枠という制度についてどう思うかの回答に対する理由より抜粋(年代:収入上限の希望)
<扶養枠という制度について「必要で、あった方が良い制度」と回答した人>
・配偶者(夫)が主婦は家事優先で仕事をしてほしいという考えである以上、家事が本業だから
(50代:年収130万円や月収88,000円)
・働き方は状況によって変わってくるので、より多い選択肢を残しておいた方が良いと思うから
(40代:年収130万円や月収88,000円)
・育児等、長時間の労働が難しい立場でも働きに出やすくなる制度だと思う(30代:年収103万円)
・働くことのできない主婦もいると思うから。例えば、子供が病気だったり、介護があるなどの理由で
(50代:年収130万円や月収88,000円)
・パートなど収入が少ないのに税金を引かれると働いてる意味がない気がする
(40代:年収130万円や月収88,000円)
・子供がいるとき働かないでも良いようにしてほしい(50代:その他)
・本当に働けない人のセーフティネットとして必要 働ける人が調整内に収める事を馬鹿馬鹿しいと
思える位に最低時給をあげるべき(50代:収入制限は気にしない)
・勤務体制が変わり、夫の社会保険から抜けて現職場で社会保険に加入したのですが、あまりに高額で
ビックリしています。これ以上税を掛けられたらいくら働いても働いた分だけ税金で持って行かれてしまい
そうです(50代:年収150万円)
・働きたくても働く時間が限られているので税制上の優遇は必要不可欠。扶養内のわずかな収入まで課税
されたらもはや働く意味がない(40代:年収130万円や月収88,000円)
・年収として働ける金額が正社員より低いので、税金を取られるなどすれば相当の時間を増やさなければ
なりません。働き損にならない仕組みを作ってくれるなら考えますが…(50代:年収103万円)
<扶養枠という制度について「不要で、なくした方が良い制度」と回答した人>
・扶養内で働いていると、残業などがあると9月くらいから出勤日の調整をしなければいけなくなり、
企業側にも迷惑がかかり、自分でもやり切れない気持ちになった事がありました(50代:収入制限は気にしない)
・なぜそのような制度ができたのか理解できない。夫、妻ともに制約ができてしまう
(40代:年収130万円や月収88,000円)
・みんな健康保険や国民年金(社保等)に加入するようにしたほうがいい。不平等だと思う
(50代:年収130万円や月収88,000円)
・女性が補助的な仕事をすべきであると考えられているきっかけの一つとなっているように考えられるため
(40代:収入制限は気にしない)
・ずっと気にしていたが、外したほうが思いっきり働けて収入も増えた(50代:収入制限は気にしない)
・働けない事情がない限り、成人になったら、税収として個人が支払うべきもの(60代:収入制限は気にしない)
・扶養扶養と、扶養を盾に仕事をしない出来ない理由にされると気分悪い。扶養枠の人の時給を低くして、
働ける時間を増やせばいい(50代:収入制限は気にしない)
・主婦や若者の働く意欲を抑制してしまうから。なくなったらもっと社会全体の経済が回ると思う
(40代:年収130万円や月収88,000円)
・仕組みが難しくてよく分からないから。その制度を気にしながら働かなくちゃいけないのが面倒
(40代:仕組みがよくわからない)
・扶養枠があるせいで、しっかりと働くことへのハードルが高くなる。短時間パートか正社員(契約社員)かの
2択しかなくなる。もっと多様性のある働き方を選択する自由があるべき(50代:年収103万円)
<扶養枠という制度について「必要か不要かは一概に言えない」と回答した人>
・社会保険料を支払うのであれば、扶養控除内が良いと思っているが、それが良いことなのかどうかも、
仕組みが複雑すぎて分かりづらい(50代:年収103万円)
・長期間の仕事に従事出来れば、枠から外れて働けばよい 次の仕事が見つかりにくい年齢や、子供や親の
面倒を見る必要がある人は枠内でと、人それぞれかと思います(70代:年収103万円)
・自分はなくてもいいけど子どもが小さい時には必要な方もいるから(40代:年収150万円)
・生活水準による、夫婦別会計の場合は超えざるを得ないだろう(30代:収入制限は気にしない)
・今はその制度を利用して仕事をしているが、無ければもっと枠にとらわれず仕事に取り組むと思うので
(50代:年収130万円や月収88,000円)
・子供が小さい内は病気や風邪で休むことが増えてしまうので、フルで働くのは難しいです。だからその期間は
扶養内であれば控除も受けられて、いいとは思います。いずれ子供に手がかからなくなれば、正社員やフルで
働くのがいいと思うので、そんな場合は扶養枠はいらないかなと思います(30代:年収103万円)
・子どもが小さい時は扶養内での仕事量がいいかと思っていたが、壁があることで、損得を考えてしまいなかなか
フルタイムにする勇気がもてない(40代:収入制限は気にしない)
・控除はあればありがたいが、130万円程度で家計にそこまで余裕ができるわけではない。せめて年収200万円
ほどは控除内にしてほしい(40代:年収130万円や月収88,000円)
・本当に働けない人には必要。扶養ではないが、社会保険、雇用保険に会社が入れない様にしかシフトをいれて
くれない。結果人手不足の悪循環になっている(50代:年収130万円や月収88,000円)
・各家庭の家族構成、ローンや学費、介護などの経済的負担がある場合、扶養枠が必要か否かは一概には
言えないと感じる為(50代:収入制限は気にしない)
年収130万円など、扶養枠の年収上限の見直しが議論されています。仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層に、「現在のあなたの収入上限に関する希望をお教えください」と尋ねたところ、「収入制限は気にしない」と回答した人が最も多かったものの、103万や130万など扶養枠の上限に抑えることを希望している人の合計は過半数となりました。また、現在の働き方に関する属性質問で回答の多かった上位3つを比較したところ「収入制限は気にしない」と回答した人の比率は「パート/アルバイト」が20.2%だったのに対し「派遣社員」は57.3%と大きな差がありました。時給が比較的高い(※1)派遣社員として働いている人は、収入制限を気にしない傾向が強いようです。さらに働き方別で2021年の調査(※2)と比較すると、 「パート/アルバイト」は「収入制限は気にしない」人の比率が7.6ポイント減少したのに対し、「派遣社員」は2.6ポイント増加しました。比較的時給が抑えられがちな「パート/アルバイト」は扶養枠内に収める方向にシフトし、比較的時給が高い「派遣社員」は扶養枠を外す方向へとシフトする二極化の傾向が見られます。 一方、「あなたは時給換算でいくら位の仕事であれば、扶養枠を外して働くことを選びますか。判断基準として近いものをお教えください」との質問に対しては「1000円未満でも扶養枠を外して働く」 から「1500円以上」と回答した人までの比率を合計すると63.4%に及びました。さらに「2000円以上」まで累積すると9割以上が扶養枠を外して働くことを選ぶと回答しています。扶養枠を外す時給ラインについて2021年調査と比較すると「1500円以上」 まで累積した比率は5.9ポイント増えています。物価高等で家計がひっ迫してきている影響もあってか、より低い金額でも扶養枠を外そうとする方向へシフトしていることが見てとれます。また「あなたは、扶養枠という制度についてどう思いますか。お考えに最も近いものをお教えください」との質問には、「一概に言えない」との回答が最も多く48.0%、次いで「扶養枠は必要」28.3%、「扶養枠は不要」は16.3%でした。半数近くが、「一概に言えない」とジレンマを感じているようです。年代別で比較すると、年代が高くなるほど扶養枠を必要とする比率が下がり、不要とする比率が上がりました。比較的お子さんが小さく時間的な制約を受けやすいと考えられる低年齢層の方が、より扶養枠を必要と感じやすいのかもしれません。フリーコメントには扶養枠をめぐる賛否両論が寄せられました。ただ、制度がわかりづらいとする声がたびたび見られ、収入上限の希望を聞いた質問でも「仕組みがよくわからない」と回答した人が6.8%いました。扶養枠をめぐっては、年収上限のあり方だけでなく制度のわかりにくさも課題ではないかと感じます。 ※1/2023年6月 主婦求人の平均時給:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000840.000003176.html ※2/最低賃金の理想はいくらなのか?:https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-26903/ |
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。2011年に設立したしゅふJOB総合研究所では仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦層”のべ40000人以上の声を調査・分析。2021年に独立。“ワークスタイル”をメインテーマにした研究・執筆・講演、企業の事業支援および広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
人材派遣、紹介、アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げなど事業現場の最前線から、広報ブランディング・経営企画・人事など管理部門までを管轄。雇用・労働分野の有識者として多数のメディアに出演し、人材マネジメントから法規制まで雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志のもと2011年につくられた研究所です。「女性のライフスタイルと仕事への関わり方」に対する社会の理解を高め、女性の働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研公式ツイッター⇒https://twitter.com/shufujobsoken
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を、創造する。』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、主婦の雇用をのべ17万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」、すきま時間で働く「ご近所ワーク」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、使命 -MISSION- 『「はたらく」をもっと、しあわせに。』を、人と仕事の適材適所によって実現してまいります。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
ビースタイルグループ広報担当:兒玉・川﨑
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お問い合わせページ:https://www.bstylegroup.co.jp/contact/media/
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