2023年11月29日
ビースタイルグループ
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は『L字カーブ』をテーマに主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:649件)
1.L字カーブは「解消すべき」52.4%/年代別比較
2.L字カーブ解消に必要なのは「必要な時に柔軟に休みがとれる職場体制」74.3%
3.フリーコメントより
◇寄せられたフリーコメントより抜粋(年代:雇用形態)
<L字カーブについて「解消すべきだと思う」と回答した人>
・仕方ない事とは片付けないで欲しい(60代:パート/アルバイト)
・社員でも在宅や時短での勤務を可能にすることで、子育てとのバランスが取れて働ける女性が増えると思う(40代:SOHO/在宅ワーク)
・パート・アルバイト等の時短勤務も簡単に正社員採用できるようにする。。そのかわり、正社員は簡単にクビにできない という法や風潮を変える(50代:パート/アルバイト)
・そもそも、妊娠したり子育てで、一旦やめなければならないような社会の雰囲気や社会のあり方を変えなければ解消しない(40代:パート/アルバイト)
・昔から育児家事は女性の仕事だと当たり前になっています。現在では男性も育休が取れるようにはなってきてると言っても、まだまだ少数です。この常識になっている意識を変えないと解消は出来ないと思います(30代:パート/アルバイト)
・正社員を辞めずに頑張ろうと思っていても、最終的には辞めざるを得ないと感じてしまう女性がたくさんいる(40代:派遣社員)
・育児が落ち着いてきたら今度は介護の問題がでてくるので、途中からフルタイム勤務にするのはハードルが高い(40代:パート/アルバイト)
・ただでさえ年齢が上がると再就職が難しくなるのに加えて、女性だと更に難しくなるのを解消する必要がある(40代:契約社員)
・60歳超えても いっぱい働けると思う 固定観念を無くして欲しい(60代:パート/アルバイト)
・キャリアや才能がある人は時給の良いお仕事に就けるけど子育てしていた人はキャリア無いからそこが認められないから。子育てもキャリアにしてくれたらいいのに(50代:派遣社員)
<L字カーブについて「一概に言えない」と回答した人>
・結婚や出産で働けなくなるのは仕方ないので、難しい問題だと思う(50代:パート/アルバイト)
・正社員になりたいわけではないのでそんなに気にならない(40代:フリー/自営業)
・正社員でバリバリ働くには子どもを犠牲にしないと働けない。中学生になったら働けると思ったが、小学生よりも部活や塾など増えて逆に働きにくい。こどもが育っていざフルタイムで働こうと思っても年齢の壁でなかなか仕事につけません(40代:パート/アルバイト)
・正社員だからこうしなくてはいけない、フルタイムじゃないといけない、責任のあるポジションにつかないと、など固定観念や先入観があり、正社員でいると言うモチベーションを下げている。頭から変えないとカーブは止まらない(30代:その他の働き方)
・L字カーブを解消すると、専業主婦(主夫)の肩身が狭くなるという懸念がある(50代:パート/アルバイト)
・人手不足解消のために、高齢でも健康なら働けると思うが、やりたい仕事やれる仕事が一致しないとL字解消は難しい気がする(50代:今は働いていない)
・L字カーブになるのは、やはり子育てが大きな原因ではないかと思います。働きたいのに働けない。または、働けても自分で子育てがしたい人もいると思います。なので、もっと柔軟な働き方ができる社会になればいいとおもいます(50代:パート/アルバイト)
・女性が働きやすい環境を作るだけでなく、子供や高齢者に優しい社会を作らなければ、実現しないと思う(50代:正社員)
・家庭でも職場でも女性の負担はたくさんあるのに さらに 正社員で働かせようとする考え方を理解できません(40代:パート/アルバイト)
・そもそも正社員を無くして、人材の流動性を高めると同時に研修などのフォローを充実させるべき(40代:今は働いていない)
<L字カーブについて「解消すべきだと思わない」と回答した人>
・家事育児の負担を夫婦平等にするように政府主導で改革しようとするのは疑問。各家庭によって家事育児分担割合は決めればよい(50代:派遣社員)
・在宅勤務が当たり前になり、正社員でも6-7時間程度で年収300以上もらえれば解消出来ると思う 保育園のお迎え時間に8時間も働いたら絶対間に合わない(30代:フリー/自営業)
・会社に勤める前提ではなく、もっと個人単位(個人事業主)で仕事がしやすい環境の社会にすれば、Lカーブ関係なくなると思う(30代:パート/アルバイト)
・解消を目的としないで、働きたい人は働き、育児のために退職したい人は退職するという、個人個人のスタイルを尊重してほしい(50代:パート/アルバイト)
・もちろん、正社員として働き続けることができるような取り組みも必要だが、子育て、介護、体調などによってパートやアルバイトを希望する人もいる。もう少しそちらの待遇改善にも目を向けて欲しい(40代:その他の働き方)
<L字カーブについて「わからない」と回答した人>
・結婚する女性だけが女性ではない。結婚して仕事をやめたり出産育児をする前提で制度設計すると、独身女性だけでなく既婚女性も離婚しづらくなるなど弊害があると思う(30代:契約社員)
・短時間勤務、出勤日数なども体力や環境に応じて配慮してもらえるような雇用形態を希望します(50代:パート/アルバイト)
・年齢が上がるにつれて女性の正社員比率が下がっていくということを今初めて知ったし、それがなぜそうなっているのかわからないから(40代:正社員)
・家事育児を誰かがやらなくてはいけないから、代行できる制度を作るか、家でできる仕事を増やすとかしかないと思う(40代:パート/アルバイト)
・どうして子育て世代の女性が正社員として働く選択をしかねるのか、まずは社会や会社がというより、夫の理解をすすめるべきと思う。理解しているようで理解していないと思う(30代:その他の働き方)
<しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎より> 女性の正社員比率を折れ線グラフにすると、Lの字を寝かせたような形になることからそう呼ばれる“L字カーブ”。主婦層を中心とする就労志向の女性に「あなたはL字カーブを解消すべきだと思いますか」と尋ねたところ、52.4%が「解消すべきだと思う」と回答しました。一方で、37.6%は「一概に言えない」と答えています。また、回答を年代別に比較してみると、「解消すべきだと思う」と答えた比率は年代が高くなるほど上がり、逆に「一概に言えない」と答えた比率は年代が高くなるほど下がりました。フリーコメントには、個人事業主で仕事しやすい環境を望む声や正社員を望まないという声も寄せられており、必ずしも正社員率の向上に諸手を上げて賛成する女性ばかりではなく、低い年代層ほどその比率が高い傾向があるようです。 また、「L字カーブを解消するには、どんな取り組みが必要だと思いますか」との質問については、「必要な時に柔軟に休みがとれる職場体制を整える」が最も多く74.3%。さらに「短時間・短日数正社員を普及させる」が67.2%、「家事育児負担の女性への偏りをなくす」が56.7%と過半数になりました。「在宅勤務やテレワークを普及させる」と回答した人も48.5%と半分近くの比率となっており、職場では柔軟に働ける体制を整えること、家庭では女性の負担を軽減することが鍵になることが伺えます。一方、「配偶者控除などの扶養枠をなくす」と回答した人は16.8%と最も少なくなりました。扶養枠に抑える層はパートタイマーなどで働くことが多く、正社員として働くことを望む層とでは課題感が異なるということなのかもしれません。人はそれぞれ置かれている立場が異なり、望む働き方も異なります。ノーベル経済学賞を受賞したハーバード大学のゴールディン教授が、長時間労働などを前提とする「貪欲な仕事」の問題を指摘したように、短時間・短日数正社員など柔軟性と高収入を両立できるような働き方の普及を含め、それぞれが望む働き方を選択できるようにしていくことが大切なのだと考えます。 |
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。
これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ約50000人の声を調査・分析し、およそ300本のレポートを配信。2021年に独立し現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆・講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
実務経験分野は、人材派遣・紹介・アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など事業現場の最前線から管理部門まで管轄するなど多岐にわたる。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて多数のメディア出演などを通して意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」
そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研公式ツイッター⇒https://twitter.com/shufujobsoken
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を、創造する。』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ18万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」、すきま時間で働く「ご近所ワーク」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、使命 -MISSION- 『「はたらく」をもっと、しあわせに。』を、人と仕事の適材適所によって実現してまいります。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
ビースタイルグループ広報担当:川﨑・岩﨑
Mail:pr@b-style.net
お問い合わせページ:https://www.bstylegroup.co.jp/contact/media/
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