2024年6月6日
ビースタイルグループ
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は『ヤングケアラーとキャリア』をテーマに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にアンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:408件)
1.ヤングケアラーという「言葉も意味も知っていた」84.3%
2.ヤングケアラーだったことが「ある」11.3%
3.周りにいま又はかつてヤングケアラーだった人が「いる」18.1%
4.キャリア形成への影響「目標や夢をあきらめざるを得ない」71.8%
5.ヤングケアラー経験とキャリア形成への影響:経験の有無別比較
6.フリーコメントより
<ヤングケアラーだったことが「ある」と回答した人>
・諦めなければいけないことが多いです(40代:パート/アルバイト)
・ヤングケアラーはケアすることだけでなく、経済的にも苦しいと思う。昔は家族で解決していたが、核家族では無理。晩婚化している今、ヤングケアラーはもっとふえると思う(30代:今は働いていない)
・性格やメンタル面であまり良い影響がなかったと、自分の場合は思います。自分さえ我慢すれば、という思考になりました(夫婦なかも悪い家庭でしたので、自己肯定感の低さもそれを助長すしたのだとは思いますが) (40代:パート/アルバイト)
・我慢してきたことによって好きなことができない(30代:今は働いていない)
・自分も祖父母を看たり、家事をしたりの今で言うところのヤングケアラーだったが、父がちゃんと働いていたので進学では困らなかった。一口にヤングケアラーと言っても程度が各家庭で違うので、一括りに話はできない。家事スキルは自分が家庭に入ってから役に立っているし、小学校高学年からずっと家事をやるのが当たり前な人生だったのでもはや負担に感じない。けれど、人それぞれ感じ方は違うので、いまヤングケアラーで辛い思いをしている人は助けを求めてほしいと思うし、自分の子供は絶対にヤングケアラーにしたくないので私は毎日頑張っている(40代:パート/アルバイト)
・どの程度の負担があったかによるので、キャリアへの影響はケースバイケースだと思う(40代:今は働いていない)
・キャリアでなく大人になってからの生活の方が影響を受ける気がする(40代:パート/アルバイト)
・運動部には入りづらいので、影響はあるかも(50代:今は働いていない)
・環境や人によっては毎日かなり精神的にしんどくなる事が多いと思います。精神的にも体力的にも追い込まれるので、自分の事を優先する事ができないので、仕事を続けるのが困難な場合もあると思います。しかし、それを乗り越えて仕事に生かす事が出来る方もいると思います(50代:今は働いていない)
・私の母と同じように、病院へ行かず自宅で療養となると、家族は、病気の知識も必要だし、何といっても、お世話をしてる家族が精神的に参ってしまう。もっと気軽に、専門の方にお願い出来る環境を整えて欲しいと思う。ケアマネージャー、介護士、心理カウンセラー等をいつでもお願い出来る環境が欲しかった(30代:パート/アルバイト)
・ヤングケアラーは成長していく過程で自分を中心に思考できないのでキャリアがどうこう考えるどころではない(30代:今は働いていない)
・自己否定感が強くなると思う、前向きな思考が少なくなる(60代:パート/アルバイト)
・自分のことをおざなりにしてしまいそう 疲れてしまって(30代:パート/アルバイト)
・自分の家族の為なので仕方ないとはいえ他にお願いできる方が居たらありがたいし自分の事に集中できそう(50代:パート/アルバイト)
・程よいものは、協力心、共感する心が養われるが、全てを任せてしまえば、学業の時間のさえぎりになる(30代:その他の働き方)
<ヤングケアラーだったことが「ない」または「わからない」と回答した人>
・自分のしたいことがあっても諦めていることが多々あると思う(50代:パート/アルバイト)
・思うように勉強出来ず、勉強が必要な分野に行けなかったり、そもそも介護がある生活が当たり前になると、自分に可能性があることにすら気付けなくなる可能性が高いと思うので、キャリアに影響が出る人は多いと思う(勿論全員という訳ではないと思うが) (30代:正社員)
・最初から色々を諦める考え方になってしまう気がする(50代:パート/アルバイト)
・家族の為に自分の時間を犠牲にして、将来の選択肢が狭まるのは問題だと思います。周りにいいにくいし、相談もしにくいので、積極的なケアが必要だと思います(40代:今は働いていない)
・本人が家族のためを思い我慢ができる範囲なら、わざわざ話題にしなくても良い。誰しも少なからず、家族の犠牲になったり恩恵も受けているのだから。我慢できなくなった人のためだけに、相談窓口が必要(50代:パート/アルバイト)
・子どもが学業のかたわら長期的に家事や家族の世話を引き受けるのは精神的・時間的な負担が大きく、できるだけ避けるべき状況だと思います。そのような子どもの負担が軽くなるよう、行政のサポートが必要だと感じます(40代:フリー/自営業)
・本人がどういう気持ちでやっていたのか、家族との関わり方など、個人差が大きいと思うので、一概にはなんとも言えません(50代:パート/アルバイト)
・私の周りにヤングケアラーはいないが、そのようなヤングを想像してみるとかわいそうになる。人生経験の少ない彼らには行政の助けが必須であり、周りも助けてあげるべきだと思う。しかし現在の日本は周りとの関係が希薄になっていて手助けしてあげたくても出来ない事が多いのではないかと感じる(60代:派遣社員)
・私もヤングケアラーではなかったが、両親が仕事で忙しく、夕飯を作っていたので、受験勉強など、夜中しかできず、毎日忙しく、普通の家の子が羨ましかった。今思うと、役立っていることは確かだが、遊び、勉強、もっとしたかった(50代:今は働いていない)
・自分の都合とは関係なく、仕事に影響が出てしまうのは可哀想だし不公平だと思います(40代:今は働いていない)
・そもそも自分に何かができるとか、自分がやりたいことをしても良いと思える状況にない・自己肯定感や効力感も低い状態にあり、キャリアのことは後回しになると思います。ヤングケアラーにもこんな選択肢がもてる、と見通しが立てば良いなと思います(30代:パート/アルバイト)
・ヤングケアラーだからキャリアを形成しづらいところはあるが、本人の努力や救済制度もあるので、一概にはいえないところもあると思う(40代:パート/アルバイト)
・若いと施設や行政に頼るって考えも浮かばないと思うし自分の時間が少ない分、周りの同じ年頃の子とは学習、遊びなどの時間は取れないと思う(40代:今は働いていない)
・周りの環境に大きく作用されると思う。支えてくれる大人がいれば影響はないが抱えてしまうことは問題だし、相談する場所、人がいることを知ることができると良いと思う。ただプライベートな部分ではあるため、隠したい気持ちもある場合もありそう(40代:パート/アルバイト)
・キャリア云々以前に「ヤングケアラー」が生じてしまうこと自体が問題(50代:パート/アルバイト)
子ども・若者育成支援推進法が改正され、支援に努める対象としてヤングケアラーに関する記述が明記されました。仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にヤングケアラーについて知っているか尋ねると「言葉も意味も知っていた」と答えた人が8割を超えました。また、「あなたご自身は、ヤングケアラーだったことがありますか」との質問には、11.3%の人が「ある」と回答しています。さらに、「あなたの周りにいまヤングケアラーの人、あるいはかつてヤングケアラーだった人はいますか」と尋ねると18.1%の人が「いる」と答えました。 続けて「ヤングケアラーであることが、大人になってからのキャリア形成に及ぼす影響についてどう思いますか」との質問には、7割以上の人が「ケアの負担が大きく目標や夢をあきらめざるを得ない」と回答しています。また、ヤングケアラーだったことがある人だけに限っても、同じく「ケアの負担が大きく目標や夢をあきらめざるを得ない」と回答した人が最も多くなりました。ただ比率は54.3%で、ヤングケアラー経験がない人に限った場合の比率76.4%と比較すると22.1ポイント低くなっています。経験がない人のイメージと比較すると、実際にヤングケアラーだった人の中には目標や夢をあきらめずに頑張ることができた人もいたようです。他にも、「学業などに支障が生じてキャリア形成がしづらくなる」や「就職活動に十分な時間を確保することが難しい」といった項目でも経験がある人の方が20ポイント以上低くなりました。ヤングケアラーだった人から寄せられたフリーコメントには家事スキルなど大人になってから役立てられている経験についての声も見られたものの、その経験の多くは厳しく困難なものであったことが伺えます。今回の法改正が、ヤングケアラーの方々を取り巻く課題解決に向けた大きな前進となることを願います。 |
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。
これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ約50000人の声を調査・分析し、300本以上のレポートを配信。2021年に独立し現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆・講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
実務経験分野は、人材派遣・紹介・アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など事業現場の最前線から管理部門まで管轄するなど多岐にわたる。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて多数のメディア出演などを通して意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」
そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研公式ツイッター⇒https://twitter.com/shufujobsoken
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を、創造する。』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ18万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、使命 -MISSION- 『「はたらく」をもっと、しあわせに。』を、人と仕事の適材適所によって実現してまいります。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
ビースタイルグループ広報担当:川﨑・岩﨑
Mail:pr@b-style.net
お問い合わせページ:https://www.bstylegroup.co.jp/contact/media/
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